対象期間:2026年9月7日(月)〜9月11日(金)の週
むずかしい言葉を使わずに、今週の市場を3ステップで説明します。忙しい人は、ここだけ読めば大丈夫です。
日本の株価は、1週間を通して見ると下がって6万4,011円で終わりました。日経平均は「日本の代表的な225社の株価をまとめた、日本株全体の体温計」のようなもの。今週は月曜(9/7)にいきなり約1,379円も急上昇して6万6,399円まで戻りましたが、そのあとは日ごとに下げが目立ち、金曜(9/11)に約1,260円安と急落して、約1カ月ぶりの安い値段になりました。上がった月曜の分をすべて吐き出した形で、1週間では約1,010円安(1.55%のマイナス)。先週に続いて2週連続で1,000円を超える下げとなりました。幅広い会社の平均であるTOPIX(トピックス)も、新しめの会社が多いグロース市場も、そろって下落しています。
まず月曜が大きく上がったのは、アメリカで半導体(AIに使う部品)の会社の株が上がったのを受けて、日本でも東京エレクトロンやソフトバンクグループなど半導体・AIに関わる大きな会社が買われたからです。ところが、そこから空気が変わりました。理由は大きく2つ。1つは原油(石油)の値上がりで、中東をめぐる緊張から、ニューヨークの原油の値段が一時1バレル104ドル台と約4カ月ぶりの高さになりました。原油が上がると、多くの会社でコスト(費用)がふくらむと心配されます。もう1つは金利の上昇です。アメリカで「ものの値段がまた上がりそう」という指標が出て、アメリカの長めの金利が数年ぶりの高さに。つられて日本の長期金利も一時3.0%まで上がりました。金利は「世の中のお金を借りるときの、長めの利息の目安」のようなもので、これが上がると、とくに将来の成長を期待して先に高く買われていた会社(半導体などの成長株)が割高に見えて売られやすくなります。この2つが重なって、金曜の大きな下げにつながりました。
いつも通りでOKです。今週は月曜に約1,379円高と大きく上がり、金曜に約1,260円安と大きく下がる、という荒い動きでした。こんなときに「上がったから買おう」「下がったから売ろう」と、その日その日の気分で動いていると、たいてい高く買って安く売る形になってしまいます。1週間の中でも、株はこれだけ上下する――だからこそ、目先の1日の値動きに一喜一憂しないことが大切です。しかも今週は、日本が下げた一方でアメリカの株はほぼ横ばいでした。同じ時期でも、国によって元気さはバラバラだということです。だからこそ、ひとつの国やひとつのテーマ(今回でいえば日本の金利や原油)に賭けるのではなく、あらかじめ決めた金額を、決めたタイミングでコツコツ買い続けるのがいちばん心強い方法です。安い週にはたくさん、高い週には少しだけ自動で買えて、世界中に広く分散できます。来週は米国のFOMC(後で説明します)などで値動きが振れそうですが、短期の上げ下げで方針を変えないことが大切です。
※ もっとくわしい数字やニュースを知りたい方は、このあとに続きます。読まなくても大丈夫です。
📊 今週の3指数の比較(前週比)
大きさの違う3つの指数(日経平均 約6万4千/TOPIX 約4千/グロース250 約768)は、そのまま並べても比べられません。そこで「今週どれだけ動いたか(%)」でそろえたのがこのグラフです。数字の大小ではなく“動いた割合”で見ると公平に比較できます。今週は3つともマイナスで、なかでもグロース250の下げが最も大きくなりました。
📈 今週の日経平均のうごき(毎日の終値)
今週は祝日がなく、グラフは月〜金の5日分です。月曜に大きく上がり、金曜に大きく下がるという荒い形がひと目で分かります。
月曜(9/7)は約1,379円高(+2.12%)と急騰して6万6,399円まで戻しました(米国の半導体株高を受け、東京エレクトロンやソフトバンクグループなど半導体・AI関連の大型株が買われたため)。ところが火曜(9/8)は約1,130円安と反落し、水曜・木曜はほぼ横ばい。そして金曜(9/11)は約1,260円安(−1.93%)と急落し、原油高(NY原油が一時1バレル104ドル台)や世界的な金利上昇、米半導体株安が重なって、約1カ月ぶりの安値となる6万4,011円で週を終えました。「月曜に急騰→そのあとジリ下げ→金曜に急落」という、上がった分を吐き出す1週間でした。(グラフはインターネット接続時に表示されます)
📈 今週のTOPIXのうごき(毎日の終値)
同じ週のTOPIX(東証プライムなど幅広い会社の平均)の毎日の動きです。月曜(9/7)は上げましたが、そのあとは4,050前後で伸び悩み、金曜に一段安。日経平均と同じく、原油高と金利上昇が幅広い会社に重しとなりました。
TOPIXは月曜(9/7)に4,125まで上げましたが、火曜に4,050へ下げたあとは横ばいが続き、金曜(9/11)は4,028まで一段安となりました。日経平均ほど月曜の急騰は大きくありませんでしたが(半導体などの大型株の影響が小さいため)、週間では前週末比マイナス。原油高・金利上昇の重しは幅広い会社に及んだことがわかります。(グラフはインターネット接続時に表示されます)
🔭 長期でみる(日本の3指数・週ごとの記録)
下の3つは、毎週のレポートと一緒に1点ずつ増えていく「育つグラフ」です。日本の代表的な3指数(日経平均・TOPIX・グロース250)を、大きさが違うのでそれぞれ別々に、長い目で追いかけます。今週の上げ下げも、続けて見れば「長い目ではこのくらい」と実感できます。いちばん新しい週(今週)は赤い点で示します。
🗾 日経平均(日本の代表225社)
📊 TOPIX(東証プライムなど幅広い会社)
🌱 グロース市場250(新しめ・成長期待の会社)
出典:Yahoo!ファイナンス(日経平均・TOPIXの日々の終値・時系列)、日本経済新聞/財経新聞/株探ニュース(日経平均・TOPIXの終値・大引けコメント)、株式ちゃんねる(グロース250の終値)。数値は取得時点のもの。
▲ 今週の値上がり(週間・上位3銘柄=めいがら) 上昇
| 順位 | 銘柄 | 週間上昇率 |
|---|---|---|
| 1位 | アルヴィス | ▲ +49.74% |
| 2位 | エアトリ | ▲ +39.16% |
| 3位 | ソフトバンクグループ | ▲ +16.99% |
▼ 今週の値下がり(週間・下位3銘柄) 下落
| 順位 | 銘柄 | 週間下落率 |
|---|---|---|
| 1位 | gumi(グミ) | ▼ −23.13% |
| 2位 | クオンツ総研 | ▼ −16.86% |
| 3位 | シチズン時計 | ▼ −15.42% |
※ 上の表は、日本を代表する主要銘柄(日経の前週末比ランキング・トップ200)から選んでいます。値上がり上位には、個別の好材料で買われた会社に加え、今週の相場を象徴するソフトバンクグループが入りました(半導体・AI関連の代表格で、指数を大きく動かす銘柄)。全体(指数)が下げても、個別の材料で大きく上がる会社もある――全体の動きと個別の会社の動きは別、ということを覚えておきましょう。
📊 業種(ぎょうしゅ:会社の種類・分野)ごとの上げ下げ(週間)
今週は上下がくっきり分かれました。原油高の恩恵を受けた石油・石炭製品(+7.79%)や、ソフトバンクグループを含む情報・通信業(+4.44%)、資源関連の鉱業(+3.53%)が上昇。一方、金利上昇に弱く輸出関連でもある精密機器(−6.29%)やその他製品(−6.22%)・金属製品(−4.06%)が大きく下落しました。
出典:日本経済新聞「値上がり率・値下がり率ランキング(前週末比・週間/トップ200)」、トレーダーズ・ウェブ「業種別ランキング(週間・前週末比/9月11日時点)」。※ 株探の週間ランキングは本レポート作成時点で自動取得できなかったため、日経・トレーダーズ・ウェブの前週末比データを使用しています。
出典:日本経済新聞「東証大引け 日経平均が大幅反落 1カ月ぶり安値」ほか、株探ニュース「週末コメント(2026年9月11日)」、岩井コスモ証券・各社マーケット解説(9月7日〜11日)。
今週の合言葉は「1週間の中の乱高下に、振り回されない」。
今週の日経平均は、月曜に約1,379円高と急騰したかと思えば、金曜には約1,260円安と急落し、1週間では約1,010円安(−1.55%)と2週連続で下落しました。たった5日の間に、これだけ大きく上下したわけです。もし月曜の急騰を見て「乗り遅れまい」と高値で買い、金曜の急落を見て慌てて売っていたら、いちばんまずい「高く買って安く売る」形になってしまいます。1日・1週間の値動きは、そもそも読めないもの。数字を続けて並べてみると、上げも下げも、長い目で見れば通り過ぎていく波だということがよく分かります。
今週とくに大切なのは、下げのきっかけが「原油高」や「金利の上昇」という“相場の外の事情”だったことです。会社の業績が急に悪くなったわけではなく、実際にアメリカの株はほぼ横ばいでした。同じ時期でも、国やテーマによって元気さはバラバラ――今週は日本の下げが目立ちましたが、別の週にはアメリカが弱く日本が強い、ということも起こります。だからこそ、ひとつの国やひとつのテーマに賭けるより、世界中に幅広く分散して持つほうが、こうした「かたよったニュース」に振り回されずにすみます。
来週は米国のFOMCなどで値動きが振れやすい場面もありそうです。こういう時こそ、上げた週も下げた週もあらかじめ決めた金額を、決めたタイミングで淡々と買い続けていれば、高い時には少しだけ、安い時にはたくさん自動で買えて、結果的にうまくいきやすいと言われます。相場が上がっても下がっても、短期の値動きで方針を変えず、自分のルールを守り続けることが、いちばんの近道です。
🔭 長期でみる(海外の代表的な指数)
下の2つも、毎週1点ずつ増えていく「育つグラフ」です。ここでは、このあとの【筆者の個人的な考え】にも関わる海外の指数、S&P500(米国)とオルカン(全世界)を追いかけます。(日本の3指数〈日経平均・TOPIX・グロース250〉の育つグラフは、上の「2. 主要指数の動き」にまとめています。)
🇺🇸 S&P500(アメリカの代表500社)
🌍 オールカントリー(オルカン・全世界の株)
※ S&P500は週末の終値(アメリカの市場がお休みの週は、その週の最後の営業日)。今週の9月11日の終値は7,656.98で、前週末(7,718.60)比 約0.8%安とほぼ横ばいでした。日本より下げが小さく、米国株が高値圏を保っていることがわかります。オールカントリーは投資信託(とうししんたく)「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の基準価額(きじゅんかがく:投資信託1万口あたりの値段)で、9月11日は37,123円でした。出典:日本経済新聞(S&P500)、Yahoo!ファイナンス(オルカン)。
【筆者の個人的な考え】
私自身が長く付き合いやすいと感じているのは、このインデックス投資です。なかでも全世界株式(オルカン)や米国株式(S&P500)は、1本で世界中・米国全体に自動で分散できるため、「あわてず・長く・コツコツ」を続けたい初心者と相性がよいと考えています。今週のように日本の下げが目立った時も、幅広く分散していれば、どこかの国が下がっても別の国が支えてくれます。個別の銘柄選びやテーマ探し、売買のタイミングに悩まず、日々の値動きにも一喜一憂しにくいのが良いところだと感じています。
※ これはあくまで筆者個人の考え方の紹介で、特定の商品の購入を勧めるものではありません。手数料や仕組みをご確認のうえ、投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。