対象期間:2026年8月10日(月)〜8月14日(金)の週
むずかしい言葉を使わずに、今週の市場を3ステップで説明します。忙しい人は、ここだけ読めば大丈夫です。
日本の株価は、1週間で大きく上がって6万8,713円で終わりました。日経平均は「日本の代表的な225社の株価をまとめた、日本株全体の体温計」のようなもの。今週は8月11日(火)が「山の日」でお休みだったので、取引は月・水・木・金の4日間でしたが、その4日すべてが上昇という、まっすぐな右肩上がりの1週間でした。とくに週明けの月曜は1日で約1,363円もの急反発。そこから上げ続けて、約1カ月ぶりの高値まで戻しました。幅広い会社を含むTOPIXという別のものさしは、8日続けて上がって、連日「過去いちばん高い値」を更新。一部の会社だけでなく、市場全体がそろって元気だった1週間でした。
いちばんのきっかけは、アメリカの「雇用(仕事)の統計」が弱かったことです。働く人の増え方が思ったより鈍いと、「景気を冷やしすぎないように、アメリカの中央銀行がそろそろ金利を下げる(=利下げする)のでは」という期待が高まります。金利が下がると会社もお金を借りやすくなり、株にとっては追い風です。この期待でアメリカのハイテク株が買われ、その流れが日本にも伝わって、AI(人工知能)や半導体に関わる会社、そして銀行などが幅広く買われました。「アメリカ発の前向きなムード」が、今週の日本株を押し上げた、というわけです。
いつも通りでOKです。今週のように大きく上がると、「乗り遅れないように今すぐ買わなきゃ」と焦ってしまいがちですが、それは先週の急落で「怖くなって売る」のと同じくらい、心が振り回されている状態です。上がった時に慌てて飛びつくと、高いところをつかんでしまうこともあります。相場の底や天井を当てるのはプロでも至難のわざ。だからこそ、あらかじめ決めた積み立てを淡々と続けるのがいちばん心強いのです。来週は月末にかけて世界が注目する会議もあり、値動きが振れやすい場面もありそうですが、幅広く分散して、上げにも下げにもあわてないことが大切です。
※ もっとくわしい数字やニュースを知りたい方は、このあとに続きます。読まなくても大丈夫です。
📊 今週の3指数の比較(前週比)
大きさの違う3つの指数(日経平均 約6万8千/TOPIX 約4千2百/グロース250 約758)は、そのまま並べても比べられません。そこで「今週どれだけ動いたか(%)」でそろえたのがこのグラフです。数字の大小ではなく“動いた割合”で見ると公平に比較できます。今週は3つともしっかりプラスで、なかでも日経平均とグロース250が大きく上げました。
📈 今週の日経平均のうごき(毎日の終値)
今週は8月11日(火)が「山の日」でお休みだったため、グラフは月・水・木・金の4日分です。
週明けの月曜に約1,363円の急反発で6万6千円台後半まで一気に戻し、そこから水・木・金と上げ続けました。木曜は約785円高と再び大きく上昇。金曜は約405円高で、上げ幅はやや落ち着きましたが4営業日続伸で週を終えました。全体として、迷いの少ない「きれいな右肩上がり」が今週の特徴です。(グラフはインターネット接続時に表示されます)
📈 今週のTOPIXのうごき(毎日の終値)
同じ週のTOPIX(東証プライムなど幅広い会社の平均)の毎日の動きです。TOPIXは今週の4営業日すべてで上昇し、連日「過去いちばん高い値」を更新しました。日経平均と同じように、こちらもきれいな右肩上がり。半導体などの一部の大きな会社だけでなく、幅広い会社がそろって買われたことがよく分かります。
TOPIXは月曜から金曜まで、今週の4営業日すべてで上昇しました。これで8日続伸となり、そのあいだ連日で最高値を更新。「値がさの一部の株だけが引っ張った上げ」ではなく、「幅広い会社がそろって上がった上げ」だったことを示しています。(グラフはインターネット接続時に表示されます)
🔭 長期でみる(日本の3指数・週ごとの記録)
下の3つは、毎週のレポートと一緒に1点ずつ増えていく「育つグラフ」です。日本の代表的な3指数(日経平均・TOPIX・グロース250)を、大きさが違うのでそれぞれ別々に、長い目で追いかけます。今週の上げ下げも、続けて見れば「長い目ではこのくらい」と実感できます。いちばん新しい週(今週)は赤い点で示します。
🗾 日経平均(日本の代表225社)
📊 TOPIX(東証プライムなど幅広い会社)
🌱 グロース市場250(新しめ・成長期待の会社)
出典:株探ニュース/日本経済新聞(日経平均の日々の終値・TOPIX、週ごとの終値)、財経新聞・株式ちゃんねる(グロース250の終値)、Yahoo!ファイナンス(TOPIX)。数値は取得時点のもの。
▲ 今週の値上がり(週間・上位3銘柄) 上昇
| 順位 | 銘柄 | 週間上昇率 |
|---|---|---|
| 1位 | ミナトホールディングス | ▲ +68.7% |
| 2位 | 誠建設工業 | ▲ +60.2% |
| 3位 | 弁護士ドットコム | ▲ +57.0% |
▼ 今週の値下がり(週間・下位3銘柄) 下落
| 順位 | 銘柄 | 週間下落率 |
|---|---|---|
| 1位 | 昭和ホールディングス | ▼ −28.6% |
| 2位 | ゴルフ・ドゥ | ▼ −27.7% |
| 3位 | サン電子 | ▼ −25.1% |
※ 値上がり上位は、決算での好業績や個別の材料で買われた、値動きの荒い中小型株が中心です。一方の値下がり上位も、決算が物足りなかった会社など、個別のニュースで大きく下げた銘柄が並びました。こうした株は「上がる時も下がる時も大きい」点に注意が必要です。市場全体が大きく上げた週でも、一部の会社は数十%下げることがある――全体の動きと個別の会社の動きは別、ということを覚えておきましょう。
📊 業種ごとの上げ下げ(週間)
今週は全33業種のうち22業種が上昇、11業種が下落と、上げが大きく優勢でした。上昇の上位はサービス業・鉱業・その他製品。弁護士ドットコムやリクルートなどのサービス業、INPEXなど資源関連の鉱業、任天堂・TOPPANなどのその他製品が買われました。一方で下げたのは石油・石炭・保険・鉄鋼など、値上がりが一服した一部の業種にとどまりました。幅広い業種に買いが広がった1週間でした。
出典:株探ニュース「週間ランキング【値上がり率】(8月14日)」「週間ランキング【値下がり率】(8月14日)」「週間ランキング【業種別 騰落率】(8月14日、対象期間8/7終値〜8/14終値)」。
出典:株探ニュース「日経平均 大引け(8月10日〜14日)」「<週末コメント>来週の相場展望(8月14日)」、財経新聞「米国株式市場見通し」、外為どっとコム・ダイヤモンドZAiオンライン(来週の予想レンジ)ほか各社マーケット解説、日本経済新聞。
今週の合言葉は「山で浮かれない、谷で慌てない」。
今週の日経平均は、祝日を挟んだ4営業日すべてで上昇し、1週間の合計で約3,107円高(+4.74%)と大きく値を上げました。先週は「週明けに急落して数日で大きく戻す」荒い動きでしたが、今週はきれいな右肩上がり。こうして続けて数字を並べると、上げも下げも、長い目で見れば通り過ぎていく波だということがよく分かります。大きく上がった週こそ「乗り遅れたくない」と焦りがちですが、慌てて高いところに飛びつくと、そのあとの反落でつらい思いをすることもあります。
今週あらためて感じるのは、相場の底や天井を当てるのはプロでも至難のわざだということです。先週の急落で怖くなって売っていたら、今週の大幅高を丸ごと取り逃していました。逆に、下げた週も上げた週もあらかじめ決めた金額を、決めたタイミングで淡々と買い続けていれば、安い時にはたくさん、高い時には少しだけ自動で買えて、結果的にうまくいきやすいと言われます。値動きを追いかけて売買のタイミングを狙うより、ずっと気楽で続けやすい方法です。
来週は月末にかけて世界が注目する会議(ジャクソンホール会議)が控え、値動きが振れやすい場面もありそうです。こういう時こそ、特定の銘柄やテーマに偏らず幅広く分散して持ち、短期の値動きで方針を変えないことをおすすめします。相場が上がっても下がっても、自分のルールを守り続けることが、いちばんの近道です。
🔭 長期でみる(海外の代表的な指数)
下の2つも、毎週1点ずつ増えていく「育つグラフ」です。ここでは、このあとの【筆者の個人的な考え】にも関わる海外の指数、S&P500(米国)とオルカン(全世界)を追いかけます。(日本の3指数〈日経平均・TOPIX・グロース250〉の育つグラフは、上の「2. 主要指数の動き」にまとめています。)
🇺🇸 S&P500(アメリカの代表500社)
🌍 オールカントリー(オルカン・全世界の株)
※ S&P500は週末の終値(アメリカの市場がお休みの週は、その週の最後の営業日)。オールカントリーは投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の基準価額(1万口あたりの値段)です。出典:投資の森・Yahoo!ファイナンス。
【筆者の個人的な考え】
私自身が長く付き合いやすいと感じているのは、このインデックス投資です。なかでも全世界株式(オルカン)や米国株式(S&P500)は、1本で世界中・米国全体に自動で分散できるため、「あわてず・長く・コツコツ」を続けたい初心者と相性がよいと考えています。今週のように日本株が大きく上がった時も、先週のように荒く動いた時も、幅広く分散していれば、どこかが下がっても別のどこかが支えてくれます。個別の銘柄選びやテーマ探し、売買のタイミングに悩まず、日々の値動きにも一喜一憂しにくいのが良いところだと感じています。
※ これはあくまで筆者個人の考え方の紹介で、特定の商品の購入を勧めるものではありません。手数料や仕組みをご確認のうえ、投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。