対象期間:2026年8月3日(月)〜8月7日(金)の週
むずかしい言葉を使わずに、今週の市場を3ステップで説明します。忙しい人は、ここだけ読めば大丈夫です。
日本の株価は、1週間でしっかり上がって6万5,606円で終わりました。ただし途中は大きく揺れました。日経平均は「日本の代表的な225社の株価をまとめた、日本株全体の体温計」のようなもの。週明けの月曜は「円高」を心配して約607円の急落で始まりましたが、水曜には海外(欧米)の株高につられて1日で約2,343円の大幅高と一気に取り返しました。木・金は、たくさん出そろった会社の成績表(決算)を見て良い会社は買い・物足りない会社は売りと選別が進み、半導体などが売られて小幅に下げました。合計すれば、谷から山へV字を描いて上昇した1週間でした。
月曜は、円が高くなる(円高になる)と、車や機械など海外に売る会社のもうけが目減りしやすいため、こうした輸出企業を中心に売られました。ところが水曜は、前日までの欧米の株高を受けて世界的に「株を買おう」という前向きなムード(リスクオン)が戻り、日本株にも買いが一気に入りました。週の後半は決算発表がピーク。フジクラや非鉄金属・繊維など好業績の会社が買われる一方、半導体の一部や決算が物足りなかった会社は売られ、上げ下げが交錯しました。為替と海外市場、そして決算という3つが日替わりで主役になったのが、今週の荒い値動きの正体です。
いつも通りでOKです。今週のように、週明けに数百円下げたと思えば数日後に二千円以上も上げる、という値動きを毎日追いかけて売り買いすると、心も振り回されてしまいます。もし急落した月曜に慌てて売っていたら、直後の水曜の大幅高を丸ごと取り逃していたはずです。相場の底や天井を当てるのはプロでも至難のわざ。だからこそ、あらかじめ決めた積み立てを淡々と続けるのがいちばん心強いのです。来週も米国の物価指標で揺れやすいですが、幅広く分散して、あわてないことが大切です。
※ もっとくわしい数字やニュースを知りたい方は、このあとに続きます。読まなくても大丈夫です。
📊 今週の3指数の比較(前週比)
大きさの違う3つの指数(日経平均 約6万5千/TOPIX 約4千/グロース250 約724)は、そのまま並べても比べられません。そこで「今週どれだけ動いたか(%)」でそろえたのがこのグラフです。数字の大小ではなく“動いた割合”で見ると公平に比較できます。今週は3つともプラスで、なかでもグロース250がいちばん大きく上げました。
📈 今週の日経平均のうごき(毎日の終値)
週明けの月曜は円高を嫌気して約607円安。火曜は小反発にとどまりましたが、水曜に欧米株高を受けて約2,343円の大幅高となり、一気に6万6千円台を回復しました。木・金は決算のえり分けで半導体株中心に小幅続落。「いったん下げてから大きく上げ、最後は少し戻す」右肩上がりのV字が今週の特徴です。(グラフはインターネット接続時に表示されます)
📈 今週のTOPIXのうごき(毎日の終値)
同じ週のTOPIX(東証プライムなど幅広い会社の平均)の毎日の動きです。日経平均が木・金と下げたのに対し、TOPIXは火曜から金曜まで4日続伸。ほぼきれいな右肩上がりを描きました。半導体などの一部の大きな会社の値動きに左右されにくく、幅広い会社を含むぶん、今週は底堅さが際立ちました。
TOPIXは月曜に小幅安となったあと、火曜から金曜まで4日連続で上昇しました。日経平均が木・金と下げても、TOPIXが上げ続けたのは「値がさの半導体株が重くても、その他の幅広い会社がしっかり買われた」ためです。同じ週でも、指数の作り方の違いで動きが変わるという良い例です。(グラフはインターネット接続時に表示されます)
🔭 長期でみる(日本の3指数・週ごとの記録)
下の3つは、毎週のレポートと一緒に1点ずつ増えていく「育つグラフ」です。日本の代表的な3指数(日経平均・TOPIX・グロース250)を、大きさが違うのでそれぞれ別々に、長い目で追いかけます。今週の上げ下げも、続けて見れば「長い目ではこのくらい」と実感できます。いちばん新しい週(今週)は赤い点で示します。
🗾 日経平均(日本の代表225社)
📊 TOPIX(東証プライムなど幅広い会社)
🌱 グロース市場250(新しめ・成長期待の会社)
出典:株探ニュース/日本経済新聞(日経平均の日々の終値・TOPIX、週ごとの終値)、松井証券・株探(グロース250の終値)、Yahoo!ファイナンス(TOPIX)。数値は取得時点のもの。
▲ 今週の値上がり(週間・上位3銘柄) 上昇
| 順位 | 銘柄 | 週間上昇率 |
|---|---|---|
| 1位 | シリコンスタジオ | ▲ +66.6% |
| 2位 | タングステン | ▲ +63.9% |
| 3位 | フィーチャ | ▲ +55.8% |
▼ 今週の値下がり(週間・下位3銘柄) 下落
| 順位 | 銘柄 | 週間下落率 |
|---|---|---|
| 1位 | Aバランス | ▼ −33.1% |
| 2位 | ジャパンHD | ▼ −19.7% |
| 3位 | CS-C | ▼ −18.4% |
※ 値上がり上位は、AI(人工知能)関連や、業績の上方修正・大幅増配を発表した銘柄が中心。個別のニュースで大きく動く、値動きの荒い中小型株が並びました。値下がり1位のAバランスは、取引所から監理銘柄(審査中)に指定されたという特別な事情によるものです。こうした株は「上がる時も下がる時も大きい」点に注意が必要です。一部の会社の決算やニュースで株価が数十%動くのは、市場全体の上げ下げとは別の話です。
📊 業種ごとの上げ下げ(週間)
今週は全33業種のうち23業種が上昇、10業種が下落と、上げが優勢でした。上昇の上位は非鉄金属・繊維製品・その他製品・鉄鋼・医薬品。フジクラなど好決算の電線・非鉄や、円安・素材高が追い風になった業種が並びました。一方で下げたのは陸運(鉄道など)・鉱業・倉庫運輸など。値動きの主役が「守りの株」から「業績が伸びる会社」へと移った1週間でした。
出典:株探ニュース「週間ランキング【値上がり率】(8月7日)」「週間ランキング【値下がり率】(8月7日)」「週間ランキング【業種別 騰落率】(8月7日、対象期間7/31終値〜8/7終値)」。
出典:株探ニュース「日経平均 大引け(8月3日〜7日)」「来週の【重要イベント】米消費者物価、米生産者物価、米小売売上高(8月10日〜)」「国内株式市場見通し」ほか各社マーケット解説、日本経済新聞。
今週の合言葉は「谷で慌てない、山で浮かれない」。
今週の日経平均は、1週間の合計で約1,245円高としっかり上昇しました。ですが中身は、週明けに約607円下げ、水曜に約2,343円上げ、木・金は小幅に下げる、という上下の大きい展開でした。もし急落した月曜に不安になって売っていたら、その直後の水曜の大幅高を丸ごと取り逃していたことになります。1日1日の値動きは、長い目で見れば通り過ぎていく波。上げも下げも「そういうもの」と受け止め、日々の株価に一喜一憂しないことが、長く続けるいちばんのコツです。
今週あらためて感じるのは、相場の底や天井を当てるのはプロでも至難のわざだということです。為替や海外市場のムードひとつで、数日のうちに景色が変わりました。こうした短期の動きを読んで売り買いのタイミングを狙うより、あらかじめ決めた金額を、決めたタイミングで淡々と買い続けるほうが、結果的にうまくいきやすいと言われます。下げた月曜にこそ、いつも通り積み立てていれば「安く買えていた」ことになるからです。
来週は米国の物価指標が重なり、値動きが振れやすい週です。祝日(山の日)とお盆で参加者が減り、値動きが軽くなりやすい点にも注意。こういう時こそ、特定の銘柄やテーマに偏らず幅広く分散して持ち、短期の値動きで方針を変えないことをおすすめします。相場が上がっても下がっても、自分のルールを守り続けることが、いちばんの近道です。
🔭 長期でみる(海外の代表的な指数)
下の2つも、毎週1点ずつ増えていく「育つグラフ」です。ここでは、このあとの【筆者の個人的な考え】にも関わる海外の指数、S&P500(米国)とオルカン(全世界)を追いかけます。(日本の3指数〈日経平均・TOPIX・グロース250〉の育つグラフは、上の「2. 主要指数の動き」にまとめています。)
🇺🇸 S&P500(アメリカの代表500社)
🌍 オールカントリー(オルカン・全世界の株)
※ S&P500は週末の終値(アメリカの市場がお休みの週は、その週の最後の営業日)。オールカントリーは投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の基準価額(1万口あたりの値段)です。出典:投資の森・Yahoo!ファイナンス。
【筆者の個人的な考え】
私自身が長く付き合いやすいと感じているのは、このインデックス投資です。なかでも全世界株式(オルカン)や米国株式(S&P500)は、1本で世界中・米国全体に自動で分散できるため、「あわてず・長く・コツコツ」を続けたい初心者と相性がよいと考えています。今週の日本株のように「週明けに急落して数日で大きく戻す」ような荒い動きがあっても、幅広く分散していれば、どこかが下がっても別のどこかが支えてくれます。個別の銘柄選びやテーマ探し、売買のタイミングに悩まず、日々の値動きにも一喜一憂しにくいのが良いところだと感じています。
※ これはあくまで筆者個人の考え方の紹介で、特定の商品の購入を勧めるものではありません。手数料や仕組みをご確認のうえ、投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。